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1月【ユトリロ】のお話会

  • 2016年1月24日
  • 読了時間: 4分

2016年 新春のアネモスは、気温の低い 小雨まじりの午後に開催されました。 前回のダリについて明確な結論から始まり、幼児期に苦境であったユトリロの 絵について、巨匠と呼ばれる作家は何を描写したのか?

そして絵の世界だけではなく、毎回の事ながら多岐にわたり様々な問いかけを私達にして下さいました。

今回の内容は特に、老若男女問わず是非とも1人でも多くの方に聞いていただきたいと、強く思いました。 その一部分だけでも お伝え出来たらと思います。

前回でお馴染みのダリ !! 彼が一番描きたかったもの?? それはガラ 。出逢ったその日から50年離れなかったガラ。ガラの命が耐えた日から社会的に生きることを止めてしまったダリ。 彼が最後に描いたのはこの絵

ここから読めて来るのは「宿命 」

ダリにとってガラとの関係は宿命的なものだった。ダリは宿命を描いたのです。 さてここからユトリロに入ります。まず、はじめに《コタン小路》

ハ方塞がりの暗く息苦しささえ感じるほどです。

後姿は喪服の女性、なんと寂しい絵なのでしょう! 次にもう1枚雪の小路、下の絵です。いい絵です。色が何色か使われてます。

この二枚を比較して見るとよく分かります。 上の絵はスッゴク力強い、いつまでも心に残ります。 ここがポイントなんだと思います。 強く心を捉えるのは、心に残るもの、後世に残るもの。 強く心を捉えるのは、其の人のどうにも逃げることの出来ないもの、 捨てたくても捨てられないもの。それが画面に出ている作品。

言い換えれば、宿命が描かれているものなのです。 では。ユトリロの宿命とは何だろう? 昨年「ユトリロとその母 ヴァラドン展」があり、ご記憶に新しい方もいらっしゃると思います。 母ヴァラドンは16才でユトリロを産み落とし、幼子を置き去りにし仕事(売れない画家のモデル)に、そして恋愛に明け暮れ何日も帰らずの日々。 取り残されたユトリロの心が支配されるものは…?

孤独。母を慕う気持ち。

やがて ヨチヨチ歩き出したユトリロの遊びは、漆喰のカケラで地面に絵を描くこと。 小学校に入ると馬鹿にされイジメに遭う日々。 散々な目にあう中で、ユトリロは母親が飲み残したワインを飲み始め、止められなくなり酔っては暴れ、町中から嫌われてしまいます。やがて精神病院に…。 と、ここまではよくある(でもないか?)話なのですが、この先がユトリロが巨匠に成り得た所以です。 母ヴァラドンはこの頃、ロートレックのモデルを務めていて絵も描く様になっていました。( ロートレックに認められていた) 下の絵はヴァラドン作 自画像

この若き母は、病院の医師とも相談治療の一環として、息子ユトリロに絵の道具を与えます。

きっとこう言ったのでしょう、「お酒ばかり飲んでないで、絵でも描くといいよ」

そしてユトリロは描き始めました。酒を飲みながら爆発的に3年間で600枚描いたといわれてます。

生を受けてからの想像を超えた寂寥感、イジメに傷ついた鬱積した思い、疎外感。

これがユトリロの宿命!!この宿命を描かざるを得ないのが絵描きの宿命なのかな? 画家は様々な環境 、心の変化で絵は変わっていきますが、胸に貯まった思い、ストレス、言うなれば毒を出し切ってしまうといい絵は描けなくなります。

ユトリロの作品の中で評価が高い作品は、皮肉にも彼が一番苦しかった時に描いた作品であります。

心の毒をキャンバスにシッカリ張り付けたものであります。 多分彼は何も考えずにキャンバスに向かっただけです。

きっと気が付いたら何かを描き終っていたのしょう。人が勝手に彼の作品を評価しただけです。

彼自身、後世に名を残そうなんてゆめ夢考えていなかったでしょう。

どの様なものであれ、本当に心を捉えて離さないものは、其の人が必死になって戦った結果のものであるように思います。 願わくば、必死になって戦ったものの結果は、どの分野においてもより良きものであって欲しいものです。 ユトリロの生きた時代もモンマルトルには多くの芸術家が住んでいました。

そしてこの街モンマルトルは今もなお、昔と変わらずミューズとバッカスが入り乱れる魅力溢れるフランスの下町です。 次回のアネモスは、イタリア人でこの街に在住の作家 現時代を線と色で表現していらっしゃる【ヴァレリオ・アダビ】氏について語って戴く予定です。

kumeda

次回は2月9日になります。お話会に興味が湧いた方、気になった方、是非お越しくださいませ!!


 
 
 

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